コンビニのいなり寿司

国立劇場に歌舞伎を観に行って、幕間にコンビニのいなり寿司。ファミリーマートの炙りいなり寿司3ヶ入。コンビニのにしては、こってり甘辛味で、夫の好きそうな味だった。

今月の歌舞伎は「コラボ忠臣蔵」と題して、小朝の落語2題を聴いてから、仮名手本忠臣蔵の五段目と六段目を観るという、異色の組み合わせ。落語と歌舞伎の間に色物が入って、ちょっとした演芸場的な感じだった。

落語は小朝の新作「殿中でござる」と「中村仲蔵」。昨日、NHKBSの再放送で「忠臣蔵ラプソディNo.5 中村仲蔵」を観たばかりだったので、昨日のドラマのまんまじゃーんと思いながら聴いたので、余計に面白かった。「中村仲蔵」は大昔に志の輔で聴いたことがあったが、それとは違って今日のはさらりとして肩のこらない感じだった。

いつも松竹よりも年齢層が高い国立だけど、今月はことさらに高く、だからなのか、幕が上がっても妙にガサゴソする客が多くてちょっと閉口した。おしゃべりが止まらない人がちょいちょいいたけど、それもこれもお友達と連れ立ってくる人が増えたからだろう。そもそも芝居なんて友達と出かけるための口実に過ぎない人も結構多いような気がする。そう考えるとコロナの頃は来る客はみんなぼっちだったから、余計な雑音が全然なくて、そういう意味では良かったなぁなんてことも思ったり思わなかったり。

五段目は久しぶり。舞台では、前日にテレビで観た勘九郎より遙かに年齢が上の歌六がやっていたが、なんとも色っぽかった。仲蔵の工夫が今なお受け継がれていると思うと、ある意味江戸時代と繋がっているような感じもあって、時空がゆがむような、なんとも不思議な感覚があって、五段目は結構好きな舞台。

六段目は勘平を芝翫がやったが、正直言うと、ちょっと立派だったかなと思った。勘平ってただ顔がいいだけの小物で、頭も悪い癖に体面は大事にするというその場しのぎの空っぽな人だと思っていて、そういう人間が完全に詰んじゃった時に何の手の打ちようもなく本気でオロオロとするから面白いのであって、ほんの少しでも「だってしょうがねーじゃん」みたいな小賢しさが見えると、じゃぁさっさと死ねよと、私なんぞは思ってしまう。本当にバカだからその果てに最後死んじゃうのがかわいそうなのであって、そういう意味では芝翫はなんだか立派すぎるというかまともな人が普通にしくじっただけという感じがあって、個人的には最後の哀れさまで到達できなかった。あと、梅花も以前に観たときより分別のある感じだったので、もっとサイコに攻めていいのに…と思ってしまった。でも、「色に耽ったばっかりに」のところの表情はなんだかよかったし、六段目も久しぶりだったので楽しかった。今度は若い人で観たいなぁ。

国立劇場は来年から立て替えらしいけど、いつも行く度に、一体どこを直す必要があるのか…と思う。歌舞伎座と違ってたっぷり空間を使ったロビーは、私はすごく好きだ。バックヤードエリアだけ新しくして、耐震工事すれば、もうそれでええやん、と思うのだけど。

しかし、12時開演で、13時半頃に35分の幕間を取って、15時40分終演なので、終わった頃にはちょっと疲れた。いなり寿司3個とのど飴2個では、ちょっと物足りないのだけど、食べ過ぎるよりはいいのか。

作成者: yudeta

東京在住、40代主婦の備忘録を兼ねた食事日記です。書籍のリンクにのみ、アマゾンアフィリエイトを入れています。ご了承ください。